ExoidによるLNPの高分解能解析LNP

脂質ナノ粒子のサイズ & 濃度 & ゼータ電位解析

Exoidは、最先端TRPS(Tunable Resistive Pulse Sensing)装置であり、約100nmから11µmまでの直径の粒子径と濃度を高分解能に測定することができます。
特にこれまで広く用いられていた動的光散乱(DLS)やナノ粒子トラッキング分析(NTA)と比較して優れた分解能を持つことが示されており、さまざまな粒子測定アプリケーションに適しています。

LNPの核酸担持によるサイズ変化

図 1. 空およびmRNA担持脂質ナノ粒子(LNP)のサイズ分布

Exoidの最初の試みとして、LNPの2つの集団間のサイズのわずかな違いを検出するために、空のLNP(Empty LNP)とmRNAをロードしたLNP(mRNA-Loaded LNP)のサイズを比較しました。

測定の結果、空のLNPのサイズ最頻値は71nmで、mRNAを担持したLNPのサイズ最頻値は66nmでした。
測定前の仮説では負に帯電したmRNA分子の周囲で脂質構造が再編成されることにより、わずかなサイズの違いが生じると予想をしていましたが、Exoidの測定ではこの小さなサイズ変化をとらえ、サンプルの違いを認めることができました。

高分解能の多分散粒子解析

図3. Tunable Resistive Pulse Sensing (TRPS)、Nanoparticle Tracking Analysis (NTA)、
Multi-Angle Dynamic Light Scattering (MADLS)を用いて測定した4分散サンプルの比較。

Exoidは独自のTRPS法によって高い粒子測定の解像度を有しており、装置をマスターすることでNTA法でもMADLS法でも得られない真の粒子サイズを得ることができます。

図3.に示されるとおり、Exoidで使用されているTRPS(Tunable Resistive Pulse Sensing)の精度は、特に多分散性のサンプルにおいて、粒子を正確にサイズ決定するのに十分な精度を持つ技術です。ナノ粒子追跡分析(NTA)も多角度動的光散乱(MADLS)も、粒子の真のサイズを決定することはできませんが、Exoidがあればデータを信頼することができます。

ゼータ電位解析

図2. DSPC(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)と
DMPG(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホリルグリセロールナトリウム塩)の
割合が異なるリポソーム製剤のTRPSベースのゼータ電位分布

製剤化されるLNPは通常、アニオン性脂質とカチオン性脂質の混合物を含み、細胞膜をよりよく模倣して相互作用を改善することで効果的な薬物送達を可能にしています。
このとき、製剤が薬物のLNPにうまく混合されたかどうかを追跡する上で重要なステップとなります。

この研究では、2種類の脂質を異なる割合で含むLNPのゼータ電位分布をプロファイリングしました。
それぞれの脂質の電荷特性、すなわちこの実験では双性イオン性(プラスとマイナスの電荷が等しい)とマイナスに帯電した脂質を知ることで、ゼータ電位の高分解能比較を通してリポソームの混合を特徴付けることができました。

出典

Bangham, A. D., & Horne, R. W. (1964). Negative staining of phospholipids and their structural modification by surface-active agents as observed in the electron microscope. Journal of Molecular Biology, 8, 660-668.

https://doi.org/10.1016/s0022-2836(64)80115-7

Measuring particle concentration of multimodal synthetic reference materials and extracellular vesicles with orthogonal techniques: Who is up to the challenge?
Vogel, R., Savage, J., Muzard, J., et al. (2021).
Journal of Extracellular Vesicles, 10(1), e12052.

https://doi.org/10.1002/jev2.12052

High-Resolution Single Particle Zeta Potential Characterisation of Biological Nanoparticles using Tunable Resistive Pulse Sensing.
Vogel, R., Pal, A.K., Jambhrunkar, S. et al.
Sci Rep 7, 17479 (2017).

https://doi.org/10.1038/s41598-017-14981-x

PageTop