アプリケーション ACOERELA

ACOERELA(アコエレラ) 最新のアプリケーション公開中

細胞外小胞色素

 ACOERELA膜資質蛍光ラベリングキットは色素自体からのアーティファクトや偽陽性シグナルを発生させることなく、ナノサイズの細胞外小胞やリポソームを正確に検出できます。これは、色素が水溶性でありミセルやナノ粒子に自己集合するのを防ぐ、ACOERELA色素の独自の特許取得済みの化学反応によるものです。ACOERELA色素は、>2mg/mL の濃度で水性緩衝液 (水、PBS、生理食塩水など) に可溶です。これらの染料は放射性が高く、ターゲットに結合した場合にのみ蛍光を発します。
 これまでに、MSC (間葉系幹細胞)、PC3 (ヒト前立腺癌細胞)、HT29 (ヒト結腸癌細胞)、および A549 (ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞) 由来のEVでの実績があります。

主な特長

  • 水溶性 (>2 mg/mL 溶解度)
  • 安定した標識 (>24 時間)
  • 小胞間の色素交換はありません
  • 短いインキュベーション時間 (約 30 ~ 60 分)
  • さまざまな色をご用意しております

フローサイトメトリ―分析における偽陽性の問題を解決する

ACOERELA で標識されたEVのフローサイトメトリー分析
(a) 未染色のEV
(b) 1 μM ACOERELA 色素で標識されたEV
(c) 1 μM ACOERELA 色素のみ
(d) 1 μM の市販の PKH26 色素のみ。※EVの非存在下でのドットプロット

蛍光色素によるアーティファクトや偽陽性シグナルは、フローサイトメトリ―分析においてサンプル解析上の問題となることがあります。ACOERELA 脂質蛍光ラベリングキットは細胞外小胞の脂質膜に貫入したときにのみ蛍光を発するため、アーティファクトを作りません。

イメージングフローサイトメトリー解析

ACOERELA 色素で標識したPC3由来EVが細胞内に取り込まれ、イメージングフローサイトメトリ―解析においてEVの蛍光シグナルが観察されます。

EVサンプルをA549 細胞に添加とインキュベートを行い、それぞれ (a) 2 時間、(b) 4 時間、 (c) 8時間のインキュベーションを行った後にImagestream (Amnis) で分析した結果、ACOERELA 色素で標識されたEVがスポット (緑色) として観察されています。
Amicon100KDaフィルターを使用してEVを除去したサンプルに色素を添加した系列(d)では、細胞内で蛍光は観察されていません 。
対照的に、DiD 色素のミセル(e)は精製されていないため細胞から蛍光が観察されており、 DiD 標識EVと間違われる可能性のある色素凝集体の取り込みが示唆しています。

動物細胞膜色素

細胞分裂のモニタリングは、免疫制御、細胞機能、静止状態、増殖、分化に関する細胞生物学の研究において重要な役割を担っています。蛍光細胞分裂追跡装置は、in vitroやin vivoで異なる細胞タイプの相互作用や運命を研究するために、フローサイトメトリーやイメージングによく使用されます。


ACOERELA 色素は、動物細胞に対する安定した結合と低い細胞毒性により、細胞分裂追跡の目的で使用することができます。これらの色素は非常に高い量子効率も備えているため、長期間にわたる蛍光追跡も可能になります。

主な特長

  • 高い量子収率 (>25%)
  • 動物の細胞膜へ安定して結合
  • 低い光退色性
  • 低い細胞毒性
  • 細胞分裂の追跡と赤血球の標識に最適

ACOERELA 色素の細胞膜染色

ACOERELA 色素と市販の FM 4-64 膜色素で共染色した HepG2 細胞の共焦点画像
(a) ACOERELA色素チャネル (Ex405)、(b) FM 4-64 チャネル (Ex488)、(c) 明視野チャネル、(d) マージされたチャネル。
ACOERELA 色素と FM4-64 の共局在は、ACOERELA 色素の膜特異性を示しています。

オレンジ:第 1 継代 緑:第 2 継代
青:第 3 継代 マゼンタ: 第4継代

ACOERELAによる細胞分裂の追跡

ACOERELA 色素によって標識されたA549哺乳類腫瘍細胞の分裂追跡
ACOERELA Dye 標識細胞 (赤) は、未染色細胞 (黒) と比較して蛍光強度が 3-log 倍増加している。また、CytoFLEX (Beckman Coulter) での分析前に実施した連続継代では 4 継代にわたって蛍光が維持されています。

赤血球の標識

未染色の赤血球(RBC) とACOERELA 色素で染色したRBC を混合したサンプルのフローサイトメトリ―分析結果。混合割合は (a) 0:5、(b) 2:3、(c) 3:2 および ( d) 5:0。
ACOERELA 色素は、標識後に細胞内で安定であり、色素による標識を意図していないサンプルへのクロスオーバーはありません。

NIR-II 腫瘍追跡色素

 NIR-Ⅱ色素を使用したin vivoバイオイメージングは組織深部の情報取得を高解像度に行うことができることから注目されている手法です。しかし、既存の色素では細胞毒性や波長特性などの影響により制限がありました。
 ACOERELA NIR-II色素は、長時間持続する蛍光能力と比較的高い量子収率によりマウスモデル内の腫瘍の成長を長期間にわたって追跡することを可能にし、研究者は腫瘍の進行や、がんに対する薬物治療の効果をin vivoで研究することができると同時に、腫瘍の特性を調べるために一定期間ごとに犠牲になっていたテストマウスの数を減らすことができる可能性があります。
 ※こちらは特注色素でのアプリケーションとなります。詳細をご希望の方は弊社営業員までお問合せ下さい。

主な特長

  • 強いNIR-II蛍光(Ex859/Em1017)
  • 生体内イメージングを可能にする
  • 長期間持続する信号 (> 14 日間)
  • 低い細胞毒性
  • 水溶性が高い

in vivo イメージング
NIR-II Acoerela色素の発光を集めた14日間の頭蓋内腫瘍(上)と26日間の皮下腫瘍(下)のin vivo蛍光画像。いずれの腫瘍においても、NIR-II Acoerelaの蛍光強度は腫瘍の経時的な成長に伴って増加しており、マウスを繰り返し犠牲にすることなく、非侵襲的に腫瘍の成長を追跡する方法を実現しています。

細菌のグラム選択性色素

細菌は通常、その膜構造に応じてグラム陽性またはグラム陰性のいずれかとして識別されます。グラム陰性菌は通常、高度に帯電したリポ多糖類 (LPS) で構成される外膜が存在することが特徴であり、グラム陽性菌にはこの外膜が存在しません。
ACOERELAの 細菌グラム選択性色素は、このグラム陽性菌とグラム陰性菌の細胞壁の違いを利用し、細胞への色素のより迅速な侵入によってグラム陽性菌を選択的に標識することができます。ACOERELA色素の選択性は、グラム陽性菌である黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus),腸球菌(Enterococcus faecalis) とグラム陰性菌 である緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa), 大腸菌( Escherichia coli) の混合集団でテストされています。

アコエレラ色素と対比染色を使用した、混合微生物バイオフィルムのその場でのグラムタイピング。
グラム陽性選択染料とグラム陰性菌の対比染色で染色した後の、Enterococcus faecalis(グラム陽性、球菌形)およびEscherichia coli(グラム陰性、棒状)の多微生物バイオフィルムの共焦点顕微鏡画像。
(a)両チャンネルのマージ画像  (b) ACOERELA グラム選択色素チャネル (Ex405/Em450-490) (c) FM 4-64 チャネル(Ex639/Em640-700)

偽陽性シグナルを発生させることなく
ナノサイズのEVやリポソームを標識できます


脂質膜蛍光ラベリングキットACOERELA(アコエレラ)が、
ご研究に利用できて成果を得られるか
弊社の専門スタッフが実際に装置をお試しいただけるようご案内しております。

▼ ぜひお気軽にご相談ください。 ▼

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