オスミウムコーティングシステム(Tennant20)
1.Tennant20の特長
安定した再現性を実現
独自のフィードバック制御により、常に一定電流を維持。
試料間のばらつきを抑え、誰が操作しても同条件の結果を得られます。
安全でクリーンな作業環境
密閉構造と排気浄化システムにより、オスミウムの揮発を徹底的に制御。
研究者の安全と環境への配慮を両立します。
直感的なタッチパネル操作
全機能をタッチスクリーンで操作。レシピ登録機能により条件再現も容易です。
メンテナンスフリー設計
消耗品交換の自動通知機能と簡易構造により、長期間安定稼働を実現。
日常の手入れも工具不要です。

2.オスミウムコートとは?
オスミウムコートとは、試料表面に 極薄のオスミウム金属膜 を均一に形成する処理です。
これにより SEM観察や元素分析でのチャージを防ぎ、高精細な微細構造の観察 が可能になります。

3.高解像度のSEM観察と元素分析を支える技術
広い負グロー相領域で、Os金属の超薄膜形成ができます

電極は、特殊改良された新型の平行平板電極を使用。電極の周りをテフロンで覆っているため、放電がエッジ部分に周流することなく、試料ステージ全域で負グロー相領域の高さが均一となり、その高さも20㎜と格段に拡大。
高さのある試料も試料ステージのどこに設置しても、負グロー相領域での均一に成膜されたオスミウム金属被膜の強固な膜がコーティングできます。
これに対し、従来の電極では負グロー相領域の高さは5㎜と浅く、これを超える高さの試料では陽光柱領域での酸化オスミウム被膜が形成されます。さらにプラズマが中央部とエッジ部分に立ちやすい特性から、試料へのコーティング導電膜は電子線に脆弱で不均一な状態になり、膜厚のムラが生じます。

粒状性の少ない極薄膜で電子線ダメージを抑制

オスミウムは原子番号76、白金族元素の一つです。
Tennant20は試料周囲をオスミウムガスで包みこみ、プラズマCVD方式で瞬時にオスミウムを粒状性を抑え、なめらかにコーティングします。
試料上面、側面、下面、さらに複雑構造の奥深くにも均一に回り込むことが出来ます。このため熱ダメージなしに、極薄膜でも電子線ダメージに負けない強固な膜が成膜されます。
膜厚制御も試料ステージ全領域で均一に、再現性高くコーティング
1/100 秒のタイマー制御で1nm 以下程度の極薄膜から厚膜まで成膜。オスミウム導電被膜の成膜量は放電時間におおよそ比例しますので、簡単にナノレベルの膜厚制御ができます。

上部から見た試料ステージの負グロー相領域の比較

| チャンバー寸法 | Φ150 × 70㎜ |
| 試料台 装填可能個数 | Φ10 ㎜ × 35 個、Φ15 ㎜ × 10 個、Φ 30 ㎜ × 5 個 |
| タッチスクリーン | あり |
| 電源オフ真空保持機能 | あり |
| 昇華筒開閉検知 | あり |
| 自動排気シーケンス | あり |
| バッフルバルブ | なし |
| ポンプ容量 | 50ℓ/min |
| 消費電流 | AC 100V 最大10A(真空ポンプの起動含む) |
| 重 量 | 22 kg |
| 最大消費電力 | 1 kW |
| 本体外径寸法 | 390(W)×385(D)×435(H)mm |
| ベルジャ | 高気密Oリング式 |
| 自動排気 | チャンバー内ガスの大気置換(真空引30秒/ポンプ停止10秒×3回) |
| 電流値設定 | 0.1~20.0mA(制限電流は最大30mA) |
| 膜厚設定 | 0.5nm~ |
| Auto | 膜厚値設定、ループ(積層)回数設定 |
| Manual | COAT時間、電流値、ガス充填時間を任意設定 |
| EJECT | 強制排気 :180秒 |
| INSERT | 強制排気 :~2Pa |
| Finish | 強制排気 :~2Pa |
| アンプル交換 | 強制排気 :~2Pa + 30分自動排気 |

お客様の声

ミシガン州立大学コメント
「顕微鏡の解像度が向上した2000年以降、我々はFE-SEMの導入を検討していました。
そしてそのためには、より優れたコーティング機能を持つ装置が必要だと考え、貴社のNeocを導入しました。
その後Tennant20に更新を行い、これまで多くのサンプルをオスミウムでコーティングしてきましたが、
自動化により作業効率が格段に向上することを実感しています。」
東北大学 大学院工学研究科 応用化学専攻
林 大和 准教授
「ナノ粒子や多孔質の材料など微細構造を高倍率で観るため金属膜コーティングが必要でした。これまでは共用設備で時間がかかりましたが、導入により研究室ですぐにコーティングでき、SEM観察までスムーズに進められています。小型で扱いやすく、簡単に操作できるため学生でも使用できます。」


“作業が早くなり、分析のスループットが上がった”
“粒状性がなく元素分析に適した膜質でクリアに観察できた”
“再現性が高く、誰が使っても条件を再現できるようになった”
国内外の多くの研究者に選ばれ、高く評価されているTennant20。
微細構造の高精度観察を、あなたの研究でもすぐに実現できます。


研究を止めない、成果を一歩先へ
「ちょっと聞きたい」も大歓迎です。
✅うちのサンプルはどうだろう?
✅機能やサポートの詳細が知りたい
✅デモや説明をお願いしたい
下記のかんたんフォームより、どんなことでもお気軽にご相談ください。
専門スタッフよりご回答させていただきます。
▽カタログダウンロード▽
フォーム入力後すぐみれます

\ かんたん フォーム 入力1分! /
よくある質問
導入前に気になるポイントを、最短で解決。
Tennant20の仕組み・使い方・メンテナンスまで、よくある疑問をすぐに確認できます。







