CO₂同位体測定による植物と土壌の動態研究
コロラド州フォートコリンズにあるコロラド州立大学(CSU)の自然資源生態学研究所にあるFrancesca Cotrufo土壌イノベーションラボの研究員であるMichelle Haddix氏と博士課程のAaron Prairie氏は、LI-7825 CO₂同位体/NH3トレースガスアナライザーをいくつかの環境でテストしました。
研究室を管理するHaddix氏は、温室内でCO₂同位体標識生育チャンバーを操作しています。彼らは、チャンバー内に植物を密閉し、13CO₂を多く含むCO₂を供給しました。これにより、植物は光合成によって13CO₂をバイオマスに取り込みます。彼らはLI-7825をプラスチックチューブでチャンバーに接続し、チャンバー内の空気に含まれる13CO₂を連続測定しました。
Haddix氏は、13CO₂が常に吸収されることから、13CO₂の値も一定になると予想しました。しかし、予想外の動きが見られました。Haddix氏は次のように述べています。「植物が12CO₂と13CO₂を同じ割合で摂取していないように見られました。そこには日内変動があり、光合成の経路がどのように変化しているのか、植物生理学者と共に追跡調査を行い、さらに理解を深めたいと思います」
Prairie氏は、土壌有機物の形成における土壌動物相の役割に注目しています。13CO₂を豊富に含む生育チャンバーの腐葉土と15Nを豊富に含むホーグランド溶液を使い、蓋とポートの付いた瓶を使って土壌実験系を作り、シリンジでガスサンプルを採取して呼吸を測定しています。彼は、CSU農業研究・開発・教育センター(ARDEC)の土壌から分離した細菌を摂食する線虫の集団、および生物防除剤としての捕食性メソスティグマダニ(Stratiolaelaps scimitus)といった土壌動物相を加えたり取り除いたりして実験系を操作し、標識されたリターを使って食物網を通じた炭素と窒素の動態を追跡しました。
Prairie氏は土壌実験系からシリンジサンプルを採取し、LI-7825に注入しました。その結果をガスクロマトグラフィー同位体比質量アナライザー(GC-IRMS)と比較したところ、値は予想した範囲内でした。彼は、このデータを土壌有機物プールや微生物や動物相のバイオマスに関する他の情報と組み合わせて、ネクロマスの形成や土壌有機物への影響を調べています。「これはパズルの1ピースですが、重要なピースです」と彼は述べています。予備的な結果では、処理間の呼吸に一貫した違いがあり、線虫を投与した実験系は、線虫を投与していないコントロールよりも13CO₂呼吸が高かったのです。
彼らは、LI-7825とフィールド土壌チャンバーとの統合方法について、LI-CORのサイエンス&サポートチームからさらなる説明を受けました。研究チームは、LI-7825がフィールドに持ち運び可能であることを高く評価し、またラボでも持ち運びが便利であると感じました。
LI-CORの装置に慣れ親しんでいるPrairie氏にとっては、シームレスな体験として、またHaddix氏は、LI-7825によって新たな探求の糸口が見つかったとして、LI-7825をテストする機会に感謝しています。