ウェザープルーフCO₂ / H₂Oアナライザー(LI-7200RS)
NEON、ICOSなど世界中の最先端フラックスネットワークに選ばれる次世代のCO₂ / H₂Oガスアナライザー
Flux測定・メタン・炭酸ガス・水分分析計
温室効果ガス・熱・水の空間収支がわかります
渦相関測定法は、空気の渦と温室効果ガスや熱エネルギーを高速かつ高精度で測定することにより、エリア空間の物質収支を把握することのできる手法です。世界各地の観測サイトで利用されている世界規格の測定手法で、超音波風速計と高速高精度CH4 + CO2 + H2O分析計を設置することで測定ができます。
湿地帯でのCH4 Flux、CO2 Flux、H2O Flux (上グラフ)
一般的に湿地帯では微生物から発生される土壌中のメタンが放出される傾向にあります。CO2は植物が生育している温暖環境時には固定され、Smart Flux 2 システムではその検証や実証を行うことができます。
CH4 + CO2 + H2O マルチ成分測定GHGシステム 最小20Wで運用可能
「LI-7700」、「LI-7200RS」、「LI-7500RS」を組み合わせることにより、省エネ仕様のCH4 + CO2 + H2O + 顕熱・潜熱の総合フラックス測定システムへの拡張ができます。全てのデータはSmart Flux 2 CPUにより完全演算されFlux値として自動記録されます。
渦相関測定システムへの拡張が簡単に
音波風速計の互換性
「LI-7200RS」はアナログ出力を装備する、ほとんどの高速3次元音波風速計と接続ができます。よって、ご使用者のサイト状況と測定目的に応じた適切な風速計をお選びいただけます。音波風速計の下もしくは横などの自由な位置にアナライザーを設置することができ、これにより、フローのひずみや関連するフラックスのエラーを最小限にできます。 オプションでは、互換性のある音波風速計との接続ケーブルをご用意しており、この接続を簡素化しております。
三脚とタワーの設置
センサーヘッドケーブルは、5m(標準)か10m(オプション)をお選びいただけます。LI-7550から最長10mのところにセンサーヘッドを取り付けることができます。 イーサネットケーブルはLI-7550から最大数百メートルのところまで延長できます。
付加機能
「LI-7200RS」は標準的なネットワーク通信プロトコルをサポートしていますので、LI-7700オープンパスCH4アナライザー/バイオメットセンサーシステム/セルラー無線機もしくは衛星無線機といったネットワークデバイスを簡単に追加することができます。
インターネット利用可
直接接続/セルラーモデム/衛星通信システムによるインターネット通信によって装置にアクセスすることができます。また、FluxSuiteと接続してお客様のサイトにオンラインアクセスできますし、サイトとリサーチグループの間のネットワークを構築できます。
全天候対応クローズドパスアナライザー
LI-7200RS ウェザープルーフCO2 / H2Oガスアナライザーは、CO2と水蒸気のガス交換高速測定ができるよう設計されています。耐久性のあるクローズドパスアナライザーのパフォーマンスとオープンパスアナライザーの高速応答・省電力性能の両方を兼ね備えた次世代型センサーです。
革新された「LI-7200 RS」システム機構
「LI-7200RS」は従来の「LI-7200」から刷新されたシステム機構を持っています
① 特許技術のサンプルガスの温度/気圧高速測定によって、最も正確なフラックス測定に対する真のモル分率を得ることができます。
② 温度制御された光源と安定測定のための検出機構は、大幅な気温変動にも耐性があります。
③ 精密光学コンポネントによって、埃の多い環境においてもコンタミへの感度が軽減されます。
④ 傷に強いサファイアレンズによって、フィールドでのクリーニングが簡単になります。
⑤ 高性能のブラシレスチョッパーモーターによって信頼性のある長期的オペレーションが可能となります。
【 測定原理 】
「LI-7200RS」では、空気中のCO2濃度と水蒸気の密度測定に非分散赤外線分光方式が採用されています。 温度制御された光学フィルターを通じて赤外線が送られ、その後クローズドサンプルパスを通じて温度制御されたセレン化鉛検出機構で検知されます。赤外線の一部はサンプルパス内でCO2と水蒸気に吸収されます。リファレンスに対し吸収された赤外線の割合からガス密度を計算します。
特許取得の特別構造を採用し、アナライザーはガス測定と同時に高速でサンプルガスの温度や気圧も測定します。これらのデータは統合され、最大“20 Hz”という速さで湿潤/乾燥モル分率を計算します。
長期安定性とドリフトの軽減
ドリフトの軽減
「LI-7200RS」では、光学レンズの汚れによるドリフトが従来機に比べ軽減されました。 従来は、埃/花粉/化学薬品の残留物/その他コンタミ物質がオープンパスアナライザーの光学レンズに付着し集積すると、測定の際にドリフトが発生しデータセットに差が出てしまう要因となりました。ガス通気チューブのフィルターが定期的にメンテナンスされていれば、大きな問題となることはありませんが、ガス通気チューブにフィルターがなく、メンテナンスがされていない場合、コンタミ物質が測定に影響を与えるリスクが出てきます。
「LI-7200RS」は、光学部と電子部に革新的な部品を使用することによって、光学レンズにコンタミ物質が集積し始めたとしてもより正確で信頼性のあるデータを収集できます。 コンタミレベルの異なる、野ざらしの5つのサイトにある13台の装置からの実験データによると、「LI-7200RS」は従来のLI-7200と比べ、より安定したH2O測定ができることを一貫して示しています。CO2測定に関しては、測定グラフの記載はありませんがH2O測定とほぼ同じか、わずかではありますが良い結果を示していました。
Figure 1/フィルターのない「LI-7200RS」 2台と、フィルターのない「LI-7200」 2台を使ったH2O測定です(アベレージとスプレッド)。Y軸はコントロールのリファレンスから得られた偏差を示します。「LI-7200RS」を使った測定ではドリフトの回数が少なく、従来の「LI-7200」に比べて装置ごとの変動が小さくなりました。
温度・気圧の高速測定
サンプルガス(ガスアナライザーセル内を通過するガス)の温度と気圧を高速測定することで、迅速にモル分率を計算する必要のあるデータを提供でき、正確なフラックスが計算できます。「LI-7200RS」は複雑な温度計と気圧センサーのシステムを使って気温と気圧を測定します。この特許構造により、温度/気圧/ガス密度の真の補正を行い、確実に最も正確なフラックス結果を出すことができます。
「LI-7200RS」はあらゆるガス密度測定時でもサンプル空気温度と気圧を測定します。ブロッキング温度の湿った低速温度測定では、迅速にモル分率を計算する必要のあるデータを得ることができません。
Figure 2/「LI-7200RS」はどのガス密度測定時でもサンプル空気温度と気圧を測定します。ブロッキング温度の湿った低速温度測定では迅速にモル分率を計算する必要のあるデータを得ることができません。
迅速な気温/気圧測定ができないということは、30分毎のフラックスにおいては無視できるものであるかもしれませんが、炭素収支(Figure 3)の計算の際に顕著となり、大きな差を引き起こす要因となります。
Figure 3/迅速なサンプル空気の測定ではなく、遅く湿った気温/気圧測定によるエラーはすぐに蓄積し、このサイトにおけるデータ収集を数日間行うとエラーの蓄積量が膨大となります。その結果10日目までにはフラックスが2.4倍も少なく見積もられているのがわかります。
大流量フローシステムオプションにより、オープンパスと変わらない応答速度
LI-7200 VS LI-7500 / LI-7000 比較データ
渦相関測定で標準とされているLI-7500オープンパスアナライザーとLI-7000クローズドパスアナライザーとの 比較において、誤差の少ない測定を行うことができます。 測定ポイントに限りなく近く設置ができ、チューブは短くポンプの大きな圧力にも耐性があり大容量での通気が行えます。
下図はLI-7200とLI-7500 / LI-7000で測定したフラックスデータの比較です。毎時間でのCO2 / H2Oのフラックスは完全に合致し、渦相関測定でのリファレンスとして活用されるLI-7500オープンパスアナライザーとLI-7000クローズドパスアナライザーと全く同じデータを計測出来ます。 LI-7200と比較されたフラックスはすべて現場実験で行われどの濃度でも基準に対して最大2.5%以内となっています。
測定は小麦作付け圃場およびススキ湿地上などで行われており、LI-7200ウェザープルーフアナライザーの渦相関測定機器としての信頼性を証明するものです。年間の欠落データ無く、安定した収支データを計測できます。
高速測定野外設置型 オープンパス仕様のクローズドパスCO2 / H2O分析計
10Hzの高速高周波測定において、LI-7200とLI-7500の差はほとんどありません。
LI-7500の方がより細かい変動を測定しておりますが両者の違いは平均で1%未満です。測定点からのチューブ長が短く大流量ポンプでの測定によりタイムラグが最小限となる設計です。
7200-101 大容量フローモジュール
ブロワーを用いた大流量で低電力のフローモジュールです。専用フローモジュールにより「LI-7200RS」の光学パスを通るガス流量を正確にコントロールすることができます。正確にフローを測定し制御することで、フローを制限でき、安定的・継続的な空気フロー率を制御することができます。フロー率、気圧低下、診断データを出力し、フィルターのクリーニング時期や交換時期を知らせてくれます。
LI-7200からのアップグレードに対応
アップグレードのメリット
・ コンタミが関連するドリフトを軽減することによって長時間測定時の安定性を改善
・ 光源と検出機構に洗練された温度コントロールアルゴリズムを採用
・ ファクトリーアップグレードパッケージによって、工場において完全なキャリブレーションとパフォーマンス評価を実施
特長 | LI-7200 RS | LI-7200 |
---|---|---|
高速・高精度・高安定測定 | ○ | ○ |
低消費電力 | ○ | ○ |
空気力学を考慮したガス取込口 | ○ | ○ |
広範囲の測定レンジ | ○ | ○ |
超音波風速計データの同時記録 | ○ | ○ |
渦相関演算フォーマットでの記録 ( .ghg ファイル) | ○ | ○ |
バイオメットシステムからの各種気象データ記録 | ○ | ○ |
温室効果3成分計測システムへの簡単な拡張 | ○ | ○ |
光学レンズの汚れによるドリフトの軽減 | ○ | |
光学レンズ温度制御によるアルゴリズム補正 | ○ | |
Smart Flux 2 CPU ユニット標準付属 | ○ |
RSシステムにはデータ記録と演算機能が含まれますので割安です。 LI-7700 オープンパスCH4アナライザー/バイオメットシステム/風速計/固定三脚等といった渦相関センサーと一緒にアップグレードを統合することができます。
アップグレードに関しまして、お気軽にお問い合わせください。
Smart Flux 2 システム対応 無人での自動Flux長期測定
Smart Flux 2 システムへの拡張
LI-7700は新製品であるSmart Flux 2システムを搭載することにより誰でも簡単にリアルタイムで最終Fluxの測定データを取得することができます。今まで煩わしかった生データの解析やロガープログラムの組立も一切必要ありません。 専用ソフトを介してイーサネットで遠隔地からのサイト管理もができ、正常測定の診断も迅速に行えます。
サイト情報の設定も演算設定も、シンプルな専用ソフトウェア
アナライザーダッシュボード
装置のダッシュボードにはアナライザーの診断情報、接続状態、測定情報、リアルタイムの渦相関結果が表示されます。直観的インターフェースによって不可欠な渦相関設定を一括で行います。サイト情報も記録しやすくなり、より簡便に設定を行うことができます。
EDDY PRO®ソフトウェア
Express / Advancedモードでデータを処理する際、EDDY PROソフトウェアはSmart Flux 2 CPUユニットもしくはPCを使っ てリアルタイムに完全に処理されたフラックス結果を計算します。Smart Flux 2 CPUユニットを使ってEDDY PROソフトウェアを起動します。
FluxSuite™ソフトウェア
Flux Suiteによって、お使いのPCやスマートフォンからアクセスすることによって、Edd yProの結果や装置パフォーマンスをリアルタイムで確認することができます。これにより、研究者間のネットワークとコラボレーションを実現し、サイトで問題が発生した際はメール通知が送られます。