カーボンコータ(CADE)
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蒸着源は超高純度(99.995%)カーボンファイバーで
SEM観察、EDS分析、FIB保護膜など各種分析に最適
同一真空下で2回コーティング可能な『4端子モデル』が登場(CADE-4T)
隙間のないコーティングによりチャージアップを防ぎ、2箇所の蒸着源から成膜することでカーボン粒子の回り込み性が向上しました。
薄膜、厚膜制御が可能でWデポダメージを防ぎ、FIB保護膜にも最適です。
同一真空化で重ねて成膜することが可能となり、より簡便に厚膜を成膜できます。
同一真空下でのカーボン蒸着+親水化処理機能搭載(CADE-E)
CADE-Eはプラズマ処理機能を搭載。同一真空化でプラズマ処理とカーボン蒸着ができるため、コーティング後の親水化処理を連続工程で行えます。
カーボンコーティング前に試料表面のプラズマ放電によるクリーニング、カーボンコーティング後のカーボン支持膜の親水化処理ができます。試料を出し入れすることなく同一真空下で処理ができるため、大気に触れずにコートでき、コンタミのない分析ができます。
超高純度(99.995%)炭素ファイバー使用で不純物のない分析
炭素繊維2000℃の高温処理した黒鉛繊維で、不純物を極限まで無くした特注製造品です。繊維は極細のやわらかい編込みファイバーで、蒸着される炭素粒子は微細な粒径でコーティングされます。
さらにCADEはプリヒート(予備加熱)機能を実装しており、蒸着前に10秒間の低加熱を加え、ファイバーに残存する微量な不純物を完全に消散させることで、より高純度な蒸着源が形成できます。
また、ファイバーは1回使い切りのため、不純物の残渣はありません。SEM観察・EDS分析・FIB保護膜など、各種分析に最適です。
シャープペン式カーボンコーターとの比較
シャープペンの芯は書きやすさを追求するため油分をはじめとする混合物が含まれています。
元素分析をする場合、別の元素が混ざるとサンプル由来の元素かどうかわからなくなり定量分析が難しくなります。
CADEのカーボンファイバーは高純度ファイバーを使用し、プリヒートをすることで不純物を飛ばし純度を高めるため分析に最適な膜を蒸着することができます。
低電流・短時間コーティングで熱ダメージなし
CADEの蒸着源は繊維状なので電流が流れやすく、低電流(35A程度)・短時間(1.7秒)でコーティングできます。カーボンロッド式ではスパーキング(火花)現象による熱ダメージが時折見られますが、CADEはカーボンファイバーが焼き切れる前にタイマー制御で防ぎます。
カーボンロッド式の問題点
× ロッドのセットが難しく、折れやすい
セットする際、締め付けが緩いとその部分の抵抗が強くなり蓄熱され、きつく締めすぎると芯が折れてしまうため注意が必要です。また、セットする際に削り出す手間がかかります。
× コーティング時のスパーキング(火花)による、サンプルの熱ダメージ
棒状のロッドは熱が伝わりにくく、高電流をかけなければならず、試料への熱ダメージにつながります。
× コーティング後、残ったカーボンロッドに酸化不純物が残ってしまう
一度セットをすると複数回使用できますが、サンプルを取替えて蒸着させる度、残ったロッドに酸化物が残り不純物を含む不均一で再現性の無い膜になってしまいます。
全工程をわずか5分で完了
蒸着源のカーボンファイバーの取り付けは、電極に挟み込むだけです。軟らかいファイバーのため、取扱も簡単で、ワンタッチで取り付けることができます。
さらに136ℓ/minの大容量真空ポンプを使用しているため、非常に短時間で処理することができます。
再現性の高いワンショットコート
再現性の高い膜厚は、真空度や試料ステージの距離で容易にコントロールできます。さらにCADEはコート時間が1.7秒と一定なので、あらかじめ真空度やステージの距離を決めておくことで、どなたが処理を行っても再現性高く、同じ膜厚にすることができます。
※弊社FS-1エリプソメーターで測定した結果
測定に使用したマルチスペクトル・エリプソメーター
- 4色LED光源と特許取得の新MWE技術で分光エリプソメトリー解析を実現
- オングストローム・ナノ薄膜の薄膜計測
- MBE, MOCVD, CVD, ALD, スパッタ等に搭載し、蒸着薄膜をin situで高速測定評価
容易な膜厚コントロール
薄膜作製用ロングチャンバー
蒸着源であるカーボンファイバーと試料の距離を遠ざけることでより薄いカーボン膜の形成が可能となります。
TEMグリッド支持膜作成などDiffusion Pumpを使用したカーボン蒸着装置と同等の膜質を形成できます。
応用事例
膜厚のコントロールが容易に行えるため、絶縁試料への導電被膜用コーティング以外にも、様々な用途でご使用いただけます。