蒸発散センサー(LI-710)
「LI-710」は、渦相関法に基づく、蒸発散測定専用のセンサーです
蒸発散量の実測
蒸発散量の実測は、コストがかかって複雑なため、これまでは専門性の高い分野でおこなわれていました。
また、作物係数、リファレンスやポテンシャル蒸発散量に基づく推定値での計測は、不確実な部分があります。
「LI-710」は、作物係数なしに、実際の蒸発散量 (フィールドから大気中に移動する水蒸気) を測定します。「LI-710」は、平坦なフィールドまたは平らで均一な植生の上で効果的な測定をおこなうことが出来ます。
アプリケーション
LI-710蒸発散センサーは、多くのアプリケーションで蒸発散を正確に定量化します。
- 灌漑管理
- 気象観測
- 水収支
- 干ばつモニタリング
- リモートセンシングの検証
- 規制の監視
- 流域管理
研究ステージに十分な精度
「LI-710」は、従来の渦相関法およびPenman-Monteith Estimatesと高い相関のある結果を得ることが出来ます。
「LI-710」は渦相関法に基づき、垂直風と水蒸気濃度を10 Hzで測定し、演算結果を30分ごとに記録をします。
「LI-710」、「LI-7500」オープンパスアナライザー、「LI-7200」ウェザープルーフアナライザーを使用したポテンシャルET、
リファレンスET、および従来の渦相関法との比較では、「LI-710」が従来の渦相関法の精度で蒸発散量を計測することができます。
5台の「LI-710」と「LI-7200」ウェザープルーフガスアナライザーによって測定された30分間の潜熱エネルギー フラックスを
「LI-7500」オープンパスガスアナライザーと比較。
ユーザーフレンドリー。メンテナンスが簡単。
「LI-710」は、データ処理は不要で結果を得ることができます。 取付からデータ取得まで、使いやすさを追求した設計です。
設置
ポールに取り付けるだけでOK。タワーや三脚は不要です。
一般的な取り付け金具と互換性があり、どなたでも簡単に設置が出来ます。
省電力
必要な電力はわずか1.5Wです。 バッテリーと小型のソーラーパネルがあれば測定をおこなうことが出来ます。
データ出力
デジタル通信であるSDI-12データ出力のスマートセンサーです。
すでにご使用のデータ収集システムに統合ができます。
メンテナンス
キャリブレーション不要。メンテナンスは簡単です。
高品質と低コストを兼ね備えたソリューション
「LI-710」は、従来の高度な実測法の1/4程のコストで、高品質な蒸発散測定をおこなうことが可能です。
また、他の複数のセンサーを用いたデータ収集を拡張できます。 生データの解析や演算は不要。電力と運用、メンテナンスのコストを抑えた測定を実現しました。
「LI-710」か「LI-7500DS/LI-7200RS」の渦相関法か?
「LI-710」は、従来のフィールドスケールでの渦相関法による測定システム(LI-7500DS/LI-7200RS)のように、正確に蒸発散量を測定することが可能です。
「LI-710」を使えば大気中を移動する水蒸気の測定を、簡便かつ正確に行うことが出来ます。
ただし、CO₂やCH₄などのガスフラックスの測定や、他のセンサー入力の統合、生データの処理をする場合は、渦相関法によるシステム(LI-7500DS/LI-7200RS)が必要になります。
下の表は「LI-710」蒸発散センサーと従来の渦相関法によるシステムを比較したものです。
特長 | LI-710 | LI-7500DS |
---|---|---|
実際の蒸発散量を測定 | はい | はい |
フィールド規模での対策 | はい | はい |
CO₂フラックスを測定 | いいえ | はい |
カスタマイズされたデータ処理が可能 | いいえ | はい |
生データを提供 | いいえ | はい |
他のセンサー入力を統合 | いいえ | はい |