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田島ヶ原におけるサクラソウ個体群の再生に向けた
ノウルシ除去処理の効果
国の特別天然記念物に指定されている田島ケ原サクラソウ自生地において、準絶滅危惧種であるサクラソウの個体数は2003年の約235万個体を境に減少に転じ、現在はその半数以下になっています。
その要因の一つとして、自生地内でのノウルシが卓越するようになり、サクラソウを被陰した事が挙げられます。しかし、ノウルシも準絶滅危惧種であり、両者の保全を考慮した管理手法の確立が必要とされており、ノウルシの除去実験を行い、ノウルシの除去を最低限に抑えつつ、サクラソウ個体群の再生を目指しています。
除去処理が光環境に及ぼす影響を把握するためのパラメーターの一つとしてLI-190Rで光量子束密度を計測しました。左図は2016年4~10月に除去区と対照区を合わせた4つの実験区で光量子束密度を計測した結果を示しています。
オギやコバギボウシの展葉に伴い、5月以降はサクラソウを顕著に被陰しています。左図から地表に直達する光量子が減少する様子が伺えます。
資料御提供:埼玉大学 教育学部 荒木 祐二 様